日本酒の造り方をご存知でしょうか。
日本酒が完成するまでにはさまざまな工程や人の手が加わっており、そのひとつひとつが、日本酒の味を左右しています。
より深く日本酒を知っていただくことで、より日本酒の素晴らしさを感じていただければと思います。
頭の片隅に入れておけば、美味しい日本酒選びにも役立つことでしょう。
①精米
普段食卓で食べる白米と同じで、日本酒も玄米のままでは造れません。精米という作業が必要です。
玄米の状態からキレイな白米にし、更にお米を磨くことで、雑味のないキレイな日本酒を作ることができます。
②洗米/浸漬
精米した米を洗い、適量の水分を吸収させるために、米を水に浸します。
浸漬時間は、米の品種やその年の米の出来具合、精米歩合など米の状態や、気温・湿度といった外部環境などによって異なります。
③蒸米/放冷
水分を含ませた米を蒸していきます。
酒米を蒸すことによって、米のでんぷん質が変化。
酒造りに適した水分量に調整できるとともに、殺菌効果もあります。
蒸した米は、麹(こうじ)造り、酒母造り、掛米(もろみ造り)用と、それぞれに応じた温度に冷まします。
④製麹
「製麹」は、日本造りにおいて必須である「麹」を作る作業です。
アツアツの蒸米をサウナのような部屋に運び、麹菌をふりかけます。
日本酒造りにおいての「麹」とは、「蒸米に麹菌と呼ばれるカビを生やしたもの」。
納豆菌や乳酸菌と同じように、私たちの体にとって有益に働いてくれる微生物です。
⑤酒母
「酒母」は、蒸米、麹、水、酵母を混ぜて酵母の力で糖化・発酵させたもの。
元気な「酵母(アルコールを生み出す微生物)」をたくさん作るためのものです。
⑥醪(もろみ)
「醪」は、酒母、水、麹、蒸米をタンクで発酵させて、お粥のようにしたもの。
この醪を搾って出た液体が日本酒となります。
⑦発酵・上槽
発酵した醪を搾って、液体の部分(原酒)と搾り粕(酒粕)に分ける作業です。
搾り方によっても味わいが変わるのですが、それはまたの機会にお話ししますね。
⑧濾過
搾った原酒に残り細かい「おり」を除去するために濾過をします。
濾過をして無色透明になった日本酒は、酒質が安定し、雑味がなくすっきりとした味わいとなります。
濾過をしない「無濾過」の日本酒は、旨みがのった味わいが特徴です。
少し旨みが濃い日本酒が飲みたい時は、ラベルに「無濾過」と表示されているものを選んでみて下さい。
⑨加水
販売されている日本酒の一般的なアルコール度数は15%程度で、高くても22℃未満ですが、
タンクの中に入った日本酒は18℃以上と高いので、水を加えてアルコール度数の調整をします。
割水をせず商品化されるものは「原酒」と呼ばれ、しっかりとした飲み応えある日本酒になります。
⑩火入れ
「火入れ」とは加熱殺菌処理のこと。60~65℃程度の低温で加熱し、日本酒に残った酵素の働きを止めて殺菌します。
貯蔵の前と出荷前に2回加熱をしたり、加熱をせずに「生酒」のまま出荷されるなど様々です。
ひとつひとつ丁寧で細かな作業を経て、美味しい日本酒が出来上がります。
日本酒を飲むときには、ぜひ日本酒の製造過程にも思いを馳せてみてください。
工程によって味わいの違いもたくさんありますので
様々な種類の日本酒を試して、自分好みの1本を見つけてみてください!
次回の日本酒の基礎知識②もお楽しみに!
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